初ケモ。
忘れもしない、6月27日月曜日。
初めて抗ガン剤ってものを、わたしのピュアな身体に入れる日が来た。
抗がん剤 ≒ 化学療法 = ケモセラピー
で、“ケモ”って呼ぶんだと、自分が乳がんになるまで知らなかったよ。
朝病院へ行くと、まず身長、体重、血圧を測った。これはそのあと毎回のルーティンになる。
そして採血。わたしの病院では、採血と抗ガン剤を同じところから入れる方式。(うまくいけば)1回につき1カ所にしか針を刺さない。あくまでもうまくいけば…だけど。
採血結果を1時間ほど待つ。その間ふらふらしていてもいいというので、院内を散策して、長いからランチを買っておいた方がいいと言われたので売店でおにぎりとお茶を買った。
もともと車酔いとか吐き気出やすい人なので、あんまり食べるのはやめとこうって思った。
採血結果が出たので診察。前回会った女医さんがまず話をしてくれた。前日からあんまりにも不安がつのってしまって、
「怖いんですー」
と言ったら泣けてきてしまった。
わたしってばほんとによく泣く。自分のカルテにどう書かれているのかちょっと見てみたい。
女医さんは、
「まずは一回やってみないと、どう副作用が出るかわからないのでね。でも、結構みんな思っていたより平気だったって言いますよ。」
と言った。
でもさ、メディアやドラマの影響で、「抗がん剤」って印象が怖すぎるよ。
腫瘍内科の主治医が部屋に入ってきた。やる前に泣いているわたしを見て、ちょっと焦ってた。
「ど、ど、どうしました、大丈夫ですか?そんな心配しなくても大丈夫ですよ。」
先生があまりにも明るいので、話しているうちに、やってみなきゃわからないね、と思えてきた。
この日はACの1回目。
初回はカーテンで仕切られて個室みたいになっているところで行われた。リクライニングの椅子で、フルフラットとまでは言わないけど、結構ちょっとしたベッドみたいになるくらい倒すこともできた。
ブースにはテレビがついていてイヤホンをして見ることができた。ケモの先輩たちはみんなくつろいでやっているように見えた。
生理食塩水をゆっくり入れながら、吐き気予防の薬を飲む。わたしの場合は、泣いたせいで、不安を取り除くためにかロラゼパムという安定剤も合わせて飲んだ。
点滴でデカドロンという吐き気止めも入れられる。
これらの吐き気止めのおかげで、かつてよりも抗がん剤の吐き気が大幅に抑えられるようになったらしい。医療の発達ってほんとに素晴らしい。
そのあと、この赤い薬「アドリアシン」というものを結構な勢いで入れる。あっという間のこと。この薬は漏れると大変なことになるらしい。血管に影響があるようで点滴をさしているところを温めながらやった。
色が恐怖をそそるよね。
そして続けて「エンドキサン」という薬を今度は1時間程度時間をかけて入れる。
この薬、終わる頃に鼻がつーーーーんとなって頭がぴりぴりした。これは毎回なった。ちょっと嫌な感覚だったな。
そして、最後にまた生理食塩水で血管を流して、おわり。
全部でだいたい2時間半くらい。
初めてのこの日は、どうなるのかわからないから、リラックスもできず、目もギンギンにさえて、気を紛らわせるためにテレビとか見てみたり。
つーんとしたくらいしかそんなに変化を感じることもなく、終わった。
ACの副作用として聞いていたのは、こんな感じ。(先生手書きの説明より)
100%起こること
- 脱毛
- だるさ
- 白血球の低下
多く起こること
稀だけど重篤
そして、いろんな薬が処方された。
- 必ず3日飲まなくてはならないデカドロンと胃薬
- 必ず2日飲まなくてはいけないイメンドカプセル
- 便秘になるかもしれないからなったらその時に飲む薬
- 4日目以降に吐き気が出たら飲む薬2種類
- 38度以上の熱が出たら7日感飲み続ける薬
最初の2つ以外は必ずではなくて、症状が出たら飲むというもの。
もらった説明の資料とか読んでいると、いろんな副作用の可能性が書いてあって、全部起こるんじゃないかっていう気になってくる。
どうなっちゃうんだろう、わたし...と不安いっぱいで帰宅して、緊張からかすごく疲れたのですぐに寝てみた。
母がこの日から2日間泊まって行ってくれた。
例の、エアベッドが大活躍!